【第6回】SDGs検定 過去問題の出題傾向分析と対策

雑記

ここでは2021年9月に開催された第6回 SDGs検定に出題された問題を基に、傾向を分析した結果や筆者が行った勉強方法などについて書いていきます。

SDGs検定 基本情報(第7回 2021年12月)

  • 試験日時:2021年12月12日
  • 試験時間:10:30~12:00 (90分間)
  • 受験会場:WEB試験
  • 申込締切:2021年12月4日
  • 受験費用:5,500円(税込)
  • 受験資格:制限無し
  • 合格通知:後日登録メールに合格証とともに配信
  • 問題  :選択式 (第6回は全31問。一部、部分点有)
  • 合格点 :満点の70%
    (第6回は難易度と過去開催分の合格率に鑑み、合格点が調整されました)

SDGs検定 公式HP:https://sdgs-samurai.or.jp/kentei.html

過去問について

まず気になる過去問ですが、公式ページが例題として一部公開している以外は全く入手することができません(現在のようなオンライン受験となる前の会場受験の際も、問題用紙の持ち帰りができなかった模様)。

公式の過去問はこちら

更に本検定は、公式の教科書やテキストもないため、自ら一度実際に受験した上で傾向を分析する他は出題予想する手立てがないというのが現状です。

出題傾向分析(回答形式別)

問題は以下、4つのパターンの形式で出題されました。選択肢はいずれも4~5個であるケースがほとんどです。

  • 最も適切なものを1つ選ぶ
  • 最も不適切なものを1つ選ぶ
  • 適切もしくは不適切なものを全て選ぶ
  • 不適切なものの個数を選ぶ

前者2つの正解が1つである形式は消去法が使えるので得点源となりますが、後者2つは正解の数がわからないため、より精度の高い理解・知識が問われます。

全問題に対する内訳は以下の通りです。

第6回 SDGs検定 出題傾向分析(回答選択形式別)

合計で58%が正解の数が1つの問題、42%が正解の数がわからない問題という結果になりました。合格点が70点であることを踏まえると、前者の問題で6~7割以上は正解して確実に点数を稼ぎたいところです。

出題傾向分析(内容分類別)

問題を内容別に大まかに分類すると、以下の7種類に分けられます。

➀SDGsの17ゴール、169ターゲットの文章
 (「我々の世界を改革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」(仮訳))に
 直接的に記載されている内容
②SDGsの17ゴール、169ターゲットに関連する専門用語の定義に関する内容
 (上記文章には直接記載されていないものも含む)
③データや世界の統計に関する内容
 (例:1日1.9ドルで暮らす数は2013年では約7億6,800万人)
④時事に関する問題(コロナウィルスの影響など)
⑤検定が定める参考図書に記載されている内容
⑥SDGsの歴史に関する内容(ブルントラント委員会、リオ宣言、MDGsなど)
⑦国連機関とそれら取り組みに関する内容(UNESCO、FAO、WHOなど)

得点源になり得る(暗記すれば解ける)ものは➀・⑤・⑥であり、②・③・⑦は若干幅広、そして④の時事は最も事前予想が立てにくい内容と言えそうです。

それでは分析結果の内訳を見てみましょう。

第6回 SDGs検定 出題傾向分析(内容分類別)

➀~④はそれぞれ約20%と横並びで、⑤参考図書からの出題は11%、⑥SDGsの歴史は5%、⑦国連機関は3%という結果になりました。

➀・⑤・⑥の合計は37%ですので、ここは確実に得点し、②・③・⑦の合計44%から補うことで何とか合格ボーダー70点越えを狙いたいところです。全体の約2割は全く予想がつかないところから出題されると覚悟しておきましょう(日頃、どれだけSDGsに関するニュース、動向に触れているかに掛かってきます)

また、17ゴール別に問題の分析も行いましたが、31問中、8問(約4割)がSDGs全般に関する内容、残り6割から万遍なく17ゴールに関する問題が出題されているという結果となりました(各ゴール1~2問)。

参考図書とその重要度

検定が公式に参考図書として挙げている3冊に加え、その他文献について重要度(筆者主観)とあわせてまめます。

重要度

:余裕があれば目を通しておくと吉
★★:できれば一読。どこに何が書いてあったか覚えているレベルで
★★★:合格には必須。必ず読み込んで重要な部分は暗記するレベルで

SDGsビジネス戦略 企業と社会が共発展を遂げるための指南書

(ピーターD.ピーダーセン、竹林征雄 著 日刊工業新聞社 出版)

重要度:★★

SDGsの歴史が年表できれいにまとまっていてわかりやすい印象。
第1章と第3章を中心に読めば良いでしょう(第2章は考え方が主題なのでさっと流す)。

SDGsの事をある程度、理解されている方はこの本を導入にしても良いと思います。

SDGs(持続可能な開発目標)

(蟹江宣史 著 中公新書 出版)

重要度:★★

研究的視点でSDGsに至る経緯や各ターゲット同士の関係について書かれています。

ターゲットを単純作業で個々ばらばらに覚えるのではなく、俯瞰して体系的に理解しやすいです。また、コロナウィルスによるSDGs達成進捗への影響について詳しく書かれており、時事問題の対策になります。

文章としてはかなり固めなので、まずは他の本で基礎知識をつけてから読むと良いでしょう。この本の記載からダイレクトに設問や選択肢になっている問題が結構ありました

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未来を変える目標SDGsアイディアブック

(一般社団法人Think the Earth)

重要度:★

SDGsの事を全く知らず、1から理解したい方には導入書として◎

各ゴールについて具体的な事例を中心に書かれているので理解しやすいです。事例の中から設問や選択肢になっている問題も2~3問ありました

イラストや写真が多くて読みやすいので純粋に読み物として面白いです。受験前にさらっと1度は目を通しておくと良いでしょう。

「我々の世界を改革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」(仮訳)

ダウンロード:https://www.mofa.go.jp/mofaj/ga

重要度:★★★

国連がまとめ、外務省が訳したSDGsの原文(バイブル)

兎にも角にも、まず初めにこれを読みましょう。

読んでみて理解できない場合は3の「未来を変える目標SDGsアイディアブック」へ、
理解できる場合は1「SDGsビジネス戦略 企業と社会が共発展を遂げるための指南書」へ進みましょう。

この文章が重要な理由は、問題全体の2割の答えがここに書かれているからです(出題傾向分析(内容分類別)を参照)。

17のゴールだけではなく、前文や169のターゲットもしっかり押さえましょう。公開されている過去問を見ればどういった点がキーワード(問題になりそうか)が見えてきます。

SDGsアクションプラン2021

(SDGs推進本部)

ダウンロード:https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/pdf/SDGs_Action_Plan_2021.pdf

重要度:★★

総理大臣を本部長、官房長官、外務大臣を副本部長とし、全閣僚を構成員とするSDGs推進本部がまとめた、国としてSDGs達成に向けた計画書。

国の文章なので内容は固いですが、ここからも専門用語の定義を問う問題など2~3問、出題されています。

持続可能な開発目標(SDGs) - 事実と数字

(国際連合広報センター)

重要度:★
持続可能な開発目標(SDGs)ー 事実と数字 | 国連広報センター
*このページは、国連本部のウェブページ(About the Sustainable Development Goals)に掲載されている17の目標ごとの「事実と...

世界や日本の統計データが17のゴール毎に纏められています。

この統計についても約2割が設問に登場するので押さえるべきですが、幾分データが古いので可能な限り直近(2018~2021年)のデータを他の参考図書から補完しておくと良いでしょう。

私の結果と勉強方法

これまで傾向や対策について色々と書いてきましたが、私自身の結果は不合格でした(*_*;

大変恥ずかしい話ですが、普段からSDGsについては仕事で関わりがあり、そこそこ理解していたつもりでしたし、受験40日前から1日平均2時間くらい勉強はしていました。それにも関わらず私は51点という結果でした。

原因の一つは今回の第6回検定が、オンライン検定であり、試験中に参考資料を見れてしまうことを加味されすぎた非常に高難易度な問題であったことが挙げられます。

実際に終了直後のTwitterも受験した同志たちの「難しすぎて泣いた」など悲鳴が多かったですし、過去開催分の合格率を鑑みて運営が合格点を調整する処置を施しました(それでも私が合格しなかったところ見ると、調整後の合格点は60~65点くらいだったと推測されます)。

ご参考までに私が行った勉強方法は以下の通りです。

  • 「2030アジェンダ」(仮訳)の読み込み&17ゴール文章の写経
  • 参考図書3冊を各2周読破(1周目に重要点をマーキング。
    2周目にそこを重点的に復習)

今となって省みると統計データの読み込みと時事対策、そして「SDGsアクションプラン2021」が全くノーマークであったことが敗因であると思われます。

特に時事については本当に直近の情報が問われます(試験日は2021年9月でしたが、設問には最も新しいもので同年7月のデータについて言及がありました)。

これらの点と今回行った分析を元に、次回検定に向けて再度、勉強に励みたいと思います!

出題傾向・勉強方法の重要点 まとめ

➀点数が取りやすく、設問のウエイトが大きい
 「2030アジェンダ」(仮訳)、参考図書、SDGsの歴史についてはしっかり暗記
②関連する専門用語の定義と統計データについても注意を払う
 (統計は直近3年以内のデータをチェック!)
③時事はコロナの影響や最新ニュースを可能な限り見ておく

あとがき

正直なところ、今回の分析の最初の動機は自分の次回検定合格のためでしたが、本検定は非常に幅広でヒントも少ないので、他にも困っている方がたくさんいるだろうなと思い、書いてみました(私も受験前は困りました)。

少しでも誰かの役に立てば嬉しく思います(少しでもお役に立てたらシェアお願いします!<m(__)m>)

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