参考図書とその重要度
検定が公式に参考図書として挙げている3冊に加え、その他文献について重要度(筆者主観)と併せて纏めます。
★:余裕があれば目を通しておくと吉
★★:できれば一読。どこに何が書いてあったか覚えているレベルで
★★★:合格には必須。必ず読み込んで重要な部分は暗記するレベルで
SDGsビジネス戦略 企業と社会が共発展を遂げるための指南書
(ピーターD.ピーダーセン、竹林征雄 著 日刊工業新聞社 出版)
重要度:★★第1章と第3章を中心に読めば良いでしょう(第2章は考え方が主題なのでさっと流す)。SDGsの歴史が年表できれいにまとまっていてわかりやすい印象。SDGsの事をある程度、理解されている方はこの本を導入にしても良いと思います。
今回の検定では、この本から直接的に設問や選択肢となった問題数は35問中、2問でした。
SDGs(持続可能な開発目標)
(蟹江宣史 著 中公新書 出版)
重要度:★★★研究的視点でSDGsに至る経緯や各ターゲット同士の関係について書かれています。ターゲットを単純作業で個々ばらばらに覚えるのではなく、俯瞰して体系的に理解しやすいです。
文章としてはかなり固めなので、まずは他の本で基礎知識をつけてから読むと良いでしょう。
今回の検定では、この本から直接的に設問や選択肢となった問題数は35問中、9問でした。
未来を変える目標SDGsアイディアブック
(一般社団法人Think the Earth)
重要度:★SDGsの事を全く知らず、1から理解したい方には導入書として◎。
各ゴールについて具体的な事例を中心に書かれているので理解しやすいです。
イラストや写真が多くて読みやすいので、純粋に読み物として面白いです。受験前にさらっと1度は目を通しておくと良いでしょう。
今回の検定では、この本から直接的に設問や選択肢となった問題は見当たりませんでした。
「我々の世界を改革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」(仮訳)
ダウンロード:https://www.mofa.go.jp/mofaj/ga
重要度:★★★国連がまとめ、外務省が訳したSDGsの原文(バイブル)。
兎にも角にも、まず初めにこれを読みましょう。
読んでみて理解できない場合は3の「未来を変える目標SDGsアイディアブック」へ、
理解できる場合は1「SDGsビジネス戦略 企業と社会が共発展を遂げるための指南書」へ進みましょう。
この文章が重要な理由は、問題全体の2割の答えがここに書かれているからです(出題傾向分析(内容分類別)を参照)。
17のゴールだけではなく、前文や169のターゲットもしっかり押さえましょう。公開されている過去問を見ればどういった点がキーワード(問題になりそうか)が見えてきます。
SDGs17ゴール・169ターゲット・232指標
(総務省)ダウンロード:https://www.soumu.go.jp/main_content/000562264.pdf
重要度:★17のゴール、169のターゲットは上記 「我々の世界を改革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」(仮訳) で押さえられますが、加えて232の指標についても余裕があれば押さえましょう。
今回の検定では出題されませんでしたが、前回第6回では1問、選択肢に登場しました。
持続可能な開発目標(SDGs)報告2021概要
(国際連合広報センター)
重要度:★★17のゴールに対する現状の達成状況。
統計問題や時事問題(コロナの影響)の対策に○です。ちなみに原文は英文で、和訳されているのは「概要」のみです。
今回の検定では、設問や選択肢として3問、出題されました。
SDGsアクションプラン2021
(SDGs推進本部) ダウンロード:https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/pdf/SDGs_Action_Plan_2021.pdf
重要度:★総理大臣を本部長、官房長官、外務大臣を副本部長とし、全閣僚を構成員とするSDGs推進本部がまとめた国としてSDGs達成に向けた計画書。
国の文章なので内容は固いですが、ここから専門用語の定義を問う問題が1問、出題されています。
持続可能な開発目標(SDGs) - 事実と数字
(国際連合広報センター) https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/31591/
重要度:★★世界や日本の統計データが17のゴール毎に纏められています。
この統計についても約2割が設問に登場するので押さえるべきですが、幾分データが少々古いので可能な限り直近(2018~2021年)のデータを他の参考図書から補完しておくと良いでしょう。
今回の検定では、設問や選択肢として2問、出題されました。
その他政府/国際機関資料
今回の検定で設問や選択肢に登場した上記以外の政府/国際機関資料を参考までまとめます。
✓ESD(ESD for 2030)について(文部科学省)
✓自殺対策白書(厚生労働省)
✓OECD Environmental Outlook to 2050(OECD経済協力開発機構)
✓SDGs実施指針における5つの主要原則(首相官邸)
✓気候関連財務情報開示タスクフォース(環境省)
✓子供の貧困対策に関する大綱(内閣府)
✓2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略(経済産業省)
✓児童労働 2020年の世界推計~傾向と今後の課題~(ユニセフ)
✓令和3年版厚生労働白書-新型コロナウイルス感染症と社会保障(厚生労働省)
私の結果と勉強方法
前回の第6回検定では51点で不合格となりましたが、今回は自身で纏めた傾向と対策を見返して臨みました。
結果は無事に合格でした!!(得点は開示されていない)。
今回は仕事が多忙であったこともあり、受験日の12日前から1日2時間のペースで学習しました。
勉強内容は以下の通りです。
- 参考図書の「SDGs(持続可能な開発目標)(蟹江宣史 著)」を1周読む
※前回勉強時にマークした重要点のみを流す形で - 参考図書「SDGsビジネス戦略 企業と社会が共発展を遂げるための指南書」を同様に1周読む
- その他参考図書について、どこにどういった情報が書いているか確認
あくまで前回勉強した蓄積があったため何とかなったという印象ですので、初トライの方は遅くとも1カ月前から勉強を開始させることをお勧めします。
出題傾向・勉強方法の重要点 まとめ
「2030アジェンダ」(仮訳)、参考図書(特に「SDGs(持続可能な開発目標)(蟹江宣史 著)」)についてはしっかり暗記
②関連する専門用語の定義(例:ESDやプラネタリーバウンダリーなど)と統計データ(特に「持続可能な開発目標(SDGs)報告2021概要」と「事実と数字」)についても注意を払う
(統計は直近3年以内のデータをチェック!)
③時事はコロナの影響や最新ニュースを可能な限り見ておく
あとがき
前述の通り、今回は前回の第6回検定より難易度が幾分下がったので、合格者が増えたことが予想されます。次回検定がオンラインになるか、会場実施になるかはわかりませんが、仮に引き続き、オンラインになった場合は今回第7回と前回第6回の間くらいの難易度になるのではないか(難易度が今回よりも少し上がる)と予想されます。
是非、第6回検定の分析もお読み頂き、傾向対策の材料にしてもらえれば幸いです。
コメント
時事問題はどのようなサイトを活用していましたか?また活用した方がいいサイトなどはありますか?
ご質問ありがとうございます。
最新のニュース(体感的に試験日から2か月以内のものまで)が対象となり、かつ幅が広いので、こればかりは普段から新聞やニュースに触れておくしかないと思われます。
もう一つ質問させてください。時事問題は各企業の取り組みなども対象になりますか?会社の規模にもよりますか?
私が受けた全2回の範囲では個別企業の取り組みではなく、社会全体の流れに関する時事が問われていました(例えば最新の自動車技術など)
とても参考になりました。ありがとうございます!
合格をお祈りしてます!